都内某所「FOURGONNETTE」と名付けられた’特別な場所’からお届けする番組です。
23回目の放送となる今回は、フランスにお住まいのデザイナー、柳沢知恵さんをお迎えしました!
柳沢知恵さんをお迎えして
柳沢さんのお仕事は「カラーマテリアルデザイナー」。
自動車のデザイナーは大きく分けると、エクステリアデザイナー、インテリアデザイナー、カラーマテリアルデザイナーの3つがあります。
柳沢さんの具体的なお仕事は、ボディーカラーの提案と選定。
「人が触れる部分全部」と言われる内装を手掛けられており、シートや天井や床などを監修されています。
そんな柳沢さんがデザイナーになったきっかけは、イカ釣り漁船の歯車工場を営んでいた親戚の影響が大きかったそうです。
シトロエンも歯車屋さんだったと知ったことから、小さい頃から工場に行ったりしていて、物作りが好きになったそうです。
自分の商品が世界中の人に使われるのはいいなと高校生位の時に思い、プロダクトデザインという仕事があることを知ったのがきっかけだと語りました。
フランスについて
パリの暮らしはゆったりしていて、日本とは違い、やりたいと思ったことがすぐ叶わないけれど、諦めモードでいると何かできた時の喜びが大きく感じられるとかたる柳沢さん。
長岡も大きく頷く。適当でも許される、ゆったりしている・・・
「インスピレーションも浮かびそうな気がしました」と長岡。
また、フランスはコロナ禍で、頬と頬を合わせながらキスをする「ビズ」という文化が無くなってしまったそうです。
デザインをするうえでインスピレーションを受ける場所は?という質問への柳沢さんの答えは南フランスのマルセイユにあるユニテ・ダビタシオン。
初めて行った時は「この団地の何がすごいんだろう?」と思ったそうですが、後から知ると、団地第一号だったとのことで、今は普通になっているものの元祖だと思うと尊敬の念が生まれる、元祖になったもののデザインが好きだと語る柳沢さんでした。
ユニテ・ダビタシオンには長岡亮介も行ったことがあるそうで、周辺を歩いていると白いシトロエン「メアリ」に乗った白髪でロン毛のおじさんが走ってきて・・・悔しいと思ったというエピソードも飛び出しました。
また、シトロエンの社風や雰囲気について伺うと、似た空気の方がたくさんいて、服がよく被るとのこと。
みんなで街歩きをする「インスピレーション出張」というものがあるというお話を聞くと、長岡も絶対にその中に入れると思うと話しました。
柳沢さんからも質問が
「音楽を車のように大勢で作ることはありますか?」
→大勢で作ることもあるし、分業などもある。と答える長岡亮介。
「曲作りで今好きな感じは?」
→今はすごくゆっくりした曲を作りたい。世の中に曲がいっぱいある中で、ちょっと聴いただけで「あれ、違うな?」と思ってほしい。ペトロールズでやるならシンプルだけど「おや?」って思う曲を作りたい。そういう意味では、シトロエンに近いのかなと・・・調子に乗るなよって話ですけど(笑)と語りました。
ちなみに長岡は子供の頃、カーデザイナーになりたかったそうで、カーデザイン専門誌『CAR STYLING』を読んだり、パステルで車を描いたりしていたと語りました。
デザイナーの方ということでカチッとしていると思っていたけれど…
「カラーの組み合わせや形もデザインですし、奥深いですね。」と語る長岡亮介。1つひとつ心を込めてデザインされたものが集まって車になることは簡単ではないことだとも話しました。
柳沢さんについての印象は、「デザイナーの方ということでカチッとしていると思いきや、すごく楽しくお話できてよかった」と最後に話し、番組は幕を閉じました。
番組では引き続き、皆さまからのお便りをお待ちしております。
今夜の感想など、どしどしお送りください!
それでは、来週もお楽しみに!
オンエア楽曲
Tomorrow’s Girls / Donald Fagen
So Now… / Matthew Herbart
Smooth Me / ペトロールズ
ゴロワーズを吸ったことがあるかい / かまやつひろし
本日のライナーノーツ
リスナーの皆さんに毎回楽しんでいただけていることを願う、このライナーノーツですが、今回はいつもの‘現場に居合わせたライターさん’ではなく、番組制作を担当している冨加津が筆を取らせていただきます。
プロのライターさんによるレポートではなく申し訳ございません!
が、リスナーの皆さんに放送だけではなく収録時のレポートもご覧いただくことで、更に想像を膨らませてこの番組の発信するもの全てを楽しんでいただければという思いでレポートいたします!
今回は、フランスからのゲスト・カーデザイナーの柳沢知恵さんをお迎えした回でした。
実は、収録の前に柳沢さんがデザインを担当されたシトロエンC5 Xの実車を見せていただいたのですが、デザインをご担当されたご本人に詳細を伺いながら実際の車両を見る機会は中々無いことなので、興味津々で色々な部分に触れながらお話を伺う長岡氏の姿が印象的でした。
一通り車の見学を終えて収録を始めようと、近隣の駐車場からFOURGONNETTEに戻る道中で、「街の整備工場」を発見した長岡氏は目を止めて「この雰囲気もいいね~」とつぶやく場面があり、本当に車が好きなんだな~と思う筆者でした。
そんな‘大見学会’の後に、いよいよ番組の収録がスタート。
初めましてということもあり、少し緊張している様子ではありましたが、大好きな車の‘中の人’のお話ということもあって話は盛り上がり、放送でお聴きいただいたように、聴いてみたかったこと、疑問だったことなど沢山のやり取りが自然に生まれていく現場でした。
シトロエンで働く人は「形容するのは難しいけどシトロエンぽさがある」と話す柳沢さんの話には「わかる~」と共感し、「インスピレーション出張」に参加したいと結構強めにアピールする長岡氏の様子が印象的でした。(笑)
一通りお話を伺ったところで、柳沢さんから「私からも質問していいですか?」とのご提案をいただき、今度はインタビューを受ける形になる長岡氏。
そのまっすぐな質問に少し照れながらも全て真摯に答える長岡氏の返答も楽しんでいただけたのではないでしょうか。
まるで面接のようなその様子に、収録を見ているこちらまでなんだか照れ臭くなってしまったこともレポートとして記しておきます。(笑)
ちなみに…普段はミュージシャンとして活躍している長岡亮介が、異業種の方と語り合っている様子を聴くことができるのはこの番組の醍醐味だとも思うので、今後も楽しい企画をご提案していく予定です。ぜひご期待ください!
そして今回ももちろん、ご本人に収録の感想を聞いています!
――柳沢さんとお話しての感想を伺えますか?
好奇心がすごい。好奇心の目でした。
その感じが仕事にも良いように働いているんでしょうね~
違う仕事をしている人の視点からの質問は、自分の為にもなるなと思いました。
恥ずかしいですね(笑)
色々な視点で、色々な仕事をされている方と語り合うことは、長岡亮介本人にも新鮮で貴重な時間となったようです!
それでは今回はこの辺りで。お付き合いいただいた皆さま、ありがとうございました。
来週もお楽しみに!
文:冨加津沙希